不安と付き合うには‐2

先の見えない状況が続く

2020年3月23日に、「不安と付き合うには」という記事を掲載しました。約3か月が経過しましたが、依然先の見えない状況が続いています。この間、様々なことが起きました。前記事で観察と記録を勧めたのですが、私自身すでに記憶が曖昧になってきています。平穏に過ごすことにエネルギーを使っていたのだと考えています。日本国内では、新規の感染者数は減少していますが、このまま終息に向かうのか、一時的な小康状態なのか、現時点で誰も判断することはできません。
6月22日から、試験が開始されます。特に1年生のかたは、不安を感じているかもしれません。通常時でも、大学での初めての試験前には、どのような形式なのか、どれくらいの難易度なのか、自分が解けるのか心配だという声を聞きます。2年生以上のかたも、手ごたえを感じにくいまま試験に臨むことになっていると思います。

ちゃんと食べて、しっかり寝よう

前記事からの繰り返しです。大事なことなので、何度でも繰り返し伝えます。
きついときこそ、ちゃんと食べてしっかり寝てください。
この数か月、食べ過ぎたり食べなさ過ぎたりしている人もいると想像しています。しかし、この数週間を乗り切るために、バランスを意識しましょう。肉や魚、卵などのたんぱく質、あるいは野菜・果物が少なくなり、ごはんや麺類、お菓子に含まれる炭水化物に偏りがちな人が多いように感じています。自分が食べて元気になれそう、ヘルシーだと感じられる、そういうものを選んでください。料理や後片付けに時間を割くことが難しい場合は、カットサラダやヨーグルト、チーズなど手間をかけずに食べられるものを一品添えてみてはいかがでしょう。
しっかり寝るというのが、難しい場合もあるかもしれません。できるだけ、その日のうちに寝てほしいと思います。遅くなったり眠れなかったりした場合は、翌日長めに睡眠時間が取れるとよいですね。日程を見て、休息も予定に組み込みましょう。気温や湿度が快適ではない時期です。着るものや寝具を清潔に保ち、心地よくなるようにしてください。

不安の表れ方

先の見えない状況+試験期間というストレス状況において、不安を感じることは自然なことです。その表れ方には個人差があります。食欲不振や不眠、気分の落ち込みが起きる人もいます。頭痛や腹痛などの身体症状が起きる人もいます。これらを強く感じている人は、ぜひ一度相談に来てください。
違う表れ方として、「いつもより元気」ということもあります。空元気(からげんき)や高揚と表現すると伝わりやすいでしょうか。きついけど、もう普通にしないといけない、みんな頑張っているのだから、自分も頑張らないといけない、周りを心配させてたくないという気持ちが背景にあり、不安を見ないようにして「元気」でいる、そういう状態のことです。これは自覚しにくいものです。友人や家族について、大丈夫かな?と思うことがあれば、自分のことでなくても相談してください。

こころに関する情報

前記事では、情報を取捨選択するように勧めました。今回は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の心理的な側面に関する情報をお伝えします。

・日本赤十字社「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」(リンクを張っていませんので、検索してください)
ウイルスがもたらす「病気」「不安」「差別」について、イラストを用いて説明されています。将来医療従事者になるかたも、そうでないかたも、ぜひご覧ください。知識は有効な武器です。

健康戦士コロタイジャー
子どものための動画シリーズです。エビデンスに基づいた内容です。将来教員を目指しているかた、現在子どもと関わっているかた、子ども向けの動画やアプリを作成したいかた、いろいろな方面から参考になると思います。英語の字幕がついていますので、英語の勉強にもなります。

つながりを持とう

繰り返しになりますが、先のことはわかりません。前回より大きな第2波が来るのかもしれません。来ないかもしれません。いずれにしろ、来ることを想定して備えておくことは必要です。こころの面から言うと、「つながりを持つ」ことです。
これから、試験や授業で大学に来ることもあるでしょう。そこで顔を合わせる人と何らかの形でつながってほしいと思います。2年生以上のかたは、再確認ですね。では、1年生のかたは、マスクをして、2m離れてどうやって仲良くなるのか??ずっと考えていますが、アイディアは出ません。通常であれば、何かの機会に隣り合った人と、何かの話題(出身地、趣味、アルバイト、部活・サークル)をきっかけにして仲良くなっていくようですが、今回は難しいでしょうか。ただ、つながりを持ちたい、友達が欲しいという気持ちは多くの人が持っているものです。それを頼りに機会を見つけてほしいと、願っています。
学生相談室では、通常通り相談を受け付けています。メール・予約フォーム・電話での申し込みについて、少しハードルが高く感じる人もいるでしょう。様子を見に来て、時間が空いていればそのまま話すこともできます。複数人でも、雑談でもOKです。お待ちしています。
引き続き、体調を確認の上、お越しいただくようお願いします。